ショート転地療養の勧め


病院勤めをやめて平日もクリニックに来るようになって、殆ど30年ぶりに混雑する電車に乗るようになりました。はじめに思ったのは、通勤する人々の表情の違いです。

30年前の都市圏では通勤している人々は随分不機嫌そうな表情で電車に揺られているなという印象をもったものでした。それは、地方の電車の中とは明らかに違っていました。その事は、当時コラムに書かせていただきました。

しかし、今電車に揺られている人々は、30年前ほど不機嫌な表情をしてはいません。それは、新型コロナウィルスの蔓延で、リモートワークが増えたことが関係しているのは確かでしょうが、それだけではない気もします。社会全体が複雑化しストレスも多様化しているのも確かなはずですから。

このような、現代の消化できない複雑なストレスを解消するには、普段の環境から物理的に離れた場所で過ごすことが大切です。旅行に行くにも気をつかう時期ですが、普段の生活の場周辺では色々な工夫をしても日常のストレスを忘れるのはかなり困難です。

贅沢な旅は必要ありません。日常を忘れるには、敢えて物理的に距離のあるところに行ってみて下さい。できれば、普段の生活の場より人口密度が低い処に。ただし、仕事のメールは開かないようにしましょう。

私は、これをショート転地療養と呼んでいます。よかったら、お試し下さい。